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保有外貨の枯渇が予想されていた北朝鮮

金正恩が表舞台から消える日: 北朝鮮 水面下の権力闘争 (978;978) (平凡社新書 978)

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北朝鮮の在スウェーデン大使館は、このドキュメンタリーについて、「北朝鮮のイメージを傷つけることを目的としており、最初から最後まで捏造だ」と抗議したというが、この映像には北朝鮮側の担当者の顔や声も収録されており、とても捏造とは考えられない。(本書 p.98)

その年(筆者註:2018年)の九月には、文在寅は平壌を訪問し、平壌にある北朝鮮最大規模の総合スポーツ競技場の「メーデースタジアム」でマスゲームを鑑賞した。その後、文大統領は集まった一五万人の市民を前に演説し、「七〇年の敵対関係を完全に清算し、再び一つになるための、平和の大きな一歩を踏み出そう」と呼びかけた。(本書 p.200)

本書は東京新聞編集委員を務めるジャーナリストの五味洋治が、韓国での報道や北朝鮮の公式発表などをもとに、北朝鮮の2021年の出版段階での情勢と今後の予想を分析した本です。

コロナ禍の影響が残っていた時期でもあることから、北朝鮮はかなり厳しい状況である旨が書かれています。具体的には韓国の報道や韓国人研究者の論文をもとに、2020年末に保有外貨の残高が20億ドルとなり、事実上外貨がご渇する予想が紹介されています。

しかし、この記事を書いている2026年8月段階で、北朝鮮の外貨が枯渇しそうで大変な状況にある、という話は聞こえてきません。確かに。北朝鮮は公式に外貨準備高を公表していないので、「へそくり」があったかものしれませんし、海外の北朝鮮大使館等の出先の人たちが頑張って稼いだのかもしれません。

海外での外貨稼ぎの様子については、冒頭の引用で示した通り、大使館が旗を振って行っています。これはデンマーク人の映像ジャーナリスト、マッツ・ブリュガーが制作した「ザ・モール(もぐら=スパイの意味)」というドキュメンタリーで描かれていことが紹介されています。

ほかにも金予正の筆跡をもとにした性格分析を紹介するなど、信頼置ける情報と置けない情報が混ざっているの印象を受けました。

引用で紹介した文在寅 韓国大統領の平壌訪問時のメーデースタジアムでの演説については、Wikipediaの「南北首脳会談 (2018年9月)」の項目にも書かれておらず、貴重な情報だと思いました。よく調べたら、韓国の放送局KBSのサイトにはその様子が載っていました。

韓国の情報機関である国家情報院は金正恩の動静から体型を3Dにして体重を推測したり、吸っているたばこの銘柄までチェックするなど、本物の北ウォッチャーはここまでするのか、と驚かされました。

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